ガートナーのハイプ・サイクルにおいてAIが幻滅期に入った事実が意味するところとは?

年々登場するIT系のキーテクノロジーにおいて注目されているのがガートナーによるハイプ・サイクルです。ハイプ・サイクルでは、様々なテクノロジーが以下のステップを経て広まっていくとされています。

  • 黎明期
  • 過度な期待
  • 幻滅期
  • 啓蒙活動期
  • 安定期

すべてのテクノロジーは黎明期からはじまります。そしてアーリーアダプターをはじめとするテクノロジーに関するアンテナの高い層によって、様々な試みが行われます。そのテクノジーに注目したスタートアップ企業もたくさん生まれ、ベンチャーキャピタルによる出資も盛んに行われます。

これはいわばバブルな時期であり、評価が実態以上に高まった状態といえます。そしてあるタイミングで期待がピークをむかえて下り坂、つまり幻滅期に入ります。いわばテクノロジーに対して過度に期待し、夢を見すぎた状態とも言えます。

その幻滅期が下げ止まると、次に啓蒙活動期と呼ばれる期間に入ります。実際にそのテクノジーを使ったアプリケーションやサービスが出てきて、社会もその恩恵が得られるようになります。この時にはテクノロジーを過剰に評価する人たちは減っており、正しく評価できるようになります。

AIが幻滅期に入ったというニュース

そんなハイプ・サイクルにおいて、AIが幻滅期に入ったというのが話題になっています。

確かに人工知能はここ数年、一気に注目を集めて毎日ニュースを聞かなかったときがなかったとさえ言えます。様々なサービスにおいてAIを機能追加したという話題が出たり、自動運転やゲーム、クリエイティブな分野でもAIを用いて行ったといったニュースが頻繁に出ていました。

その一時の熱が収まり、2019年後半になって幻滅期に突入したとみるべきでしょう。

幻滅期に入った事実が指し示すこと

幻滅というと、がっかりしたという雰囲気が感じられてしまうかも知れません。実際には字のごとく、幻が消え去ったとみるべきです。つまり、「何でもかんでもAIといえばいい」とか、「AIによって既存の仕事がどんどんなくなっていく」といった過剰反応がなくなってきたとも言えます。情報が出そろってきて、AIでできること、できないことが浸透してきたともいえます。

例えば幻滅期の少し先にあるテクノロジーとして「API」があがっています。APIは2000年ごろにWebサービスとして登場した後、2004年ごとにWeb APIというキーワードで注目が集まりました。当時はWeb APIを出す企業が多数出てきたり、Web API同士を連携するマッシュアップと呼ばれるサービスも作られていました。それから15年経ち、Web APIはあって当たり前のものになっています。個人開発はもちろん、企業間連携でも利用されています。何よりスマートフォンアプリにおいてはWeb APIを利用せずにネットワーク機能を使うのは難しいでしょう。

AIについても同じで、これから10年くらいかけてじっくりと世の中に浸透していく時期に入ったと言えます。現在はテクノロジーが乱立する時代であり、どんどん新しい情報に目が移ってしまう時代です。そのためピークに達するのも早く、そして幻滅期に入るのもとても早いと言えるでしょう。

幻滅期のAIを迎えるにあたってできること

幻滅期に入ったということは、情報が先走る状態が一段落し、腰を据えて実績を作るべき段階になったといえるでしょう。人工知能と同じように幻滅期に入っているIoTでも同じですが、実績を作るのは本来時間のかかるものです。手書きの数字認識であったり、花を区別するといった簡単なものであればすぐにできますが、製品レベルにするには適切な設計と学習、論理が必要になるでしょう。膨大な学習データが必要で、一朝一夕にできるものではありません。黎明期に出てきた数々の素晴らしい事例は、すでに何年も前から研究が行われてきた成果なのです。

さらにいえば、幻滅期に入ったAIはこれから手を付けるのにちょうどいい時期ともいえます。情報は多数出ていますし、AIを実現するためのハードウェアやソフトウェア、サービスも出揃っています。すべての問題を解決してくれるという幻想がなくなり、AIは何ができて何ができないのかも分かってきています。右も左も分からない中、ただトレンドに乗って手出しする時期から、きちんと明確な目的をもって事業化、商品化するフェーズに入ったといえるでしょう。

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