IoTのスキル習得には学習継続の仕組みが必要、ISIDの取り組み

2018年9月からisaax IoTエンジニア養成キットをご利用いただいているISID(株式会社電通国際情報サービス)のエンジニア飯干さん、佐藤さんにインタビューを行いました。

インタビュー時は2ヶ月目までの学習が終わり、ちょうど3ヶ月目を始めたというタイミングでした。

ISIDはIoTエンジニア養成キットを非常にうまく活用されており、これから導入を検討されているお客様にとってモデルケースとなるような使い方をされていましたのでご紹介します。

ISIDは、電通グループでITを担うシステムインテグレータです。製造、金融、産業分野に強みを持ち、システムの受託開発やコンサルティング、ソリューションを提供しています。昨今の流れとしてハードウェアとのつなぎ込みの相談が増えており、ソフトウェアとハードウェアをつなげて学習するのにちょうどいいと思い購入されたとのこと。

飯干さんと佐藤さんのご紹介

インタビューにご協力いただいた、お二人のプロフィールを簡単にご紹介します。 戦略ビジネス推進本部 インダストリアル・インターネット部 IoTグループ シニアコンサルタント 飯干 茂義さん CAEの経験を経て、建設や自動車関連のAI/IoTを専門に、データ分析までできるエンジニア。趣味はトレイル・ラン。 戦略ビジネス推進本部 インダストリアル・インターネット部 佐藤 愛さん OpenPoseを使った技術検証や大手企業の開発案件を行うエンジニア。大学では筋電位の研究をやっていたIoTネイティブ。

毎月少しずつ届くところに魅力を感じ購入した

ーーーIoTエンジニア養成キットを採用された理由について教えてください。 佐藤:大学では筋電位の研究をやっていたこともあり、元々IoTには興味がありました。実際に環境データのセンシングをしたことはなかったのでやってみたいと思ったのがきっかけでしたね。 飯干:概念的にはかなり昔から知っていましたが、IoTは実際に触ってみないと分からないと思ってました。IoTの学習用に購入した書籍にも”自分で手を動かして理解することが重要である”という内容が書かれていたので、このキットで実際に手を動かしてやってみようと思いました。 通常業務もあるので、一気にキットを送られてくると負荷が大きくなります。なので、ちょっとずつ送られて、一歩一歩確実に学習できる点が良いと思いました。

最初のセットアップが一番大変だった

ーーー実際に学習を始めてみていかがでしたか? 飯干:ドキュメントを読めばほとんどつまづくことなく、スムーズに出来ました。このキットを通してプロとして必要な知識を身に着けさせようという意図が見て取れましたし、内容も詳しく書かれていたので期待通りでした。 1ヶ月目のセンサーの扱いに関する知識は実業務にも活かせる内容でした。 ーーー学習していて難しいと感じた点を教えてください。 飯干:1ヶ月目にRaspberry PiのIPアドレスを特定する内容があるのですが、環境によっては上手くできなかったりして苦労しました。ただ、一度やり方を覚えたら2ヶ月目からは問題なく出来ました。 佐藤:私はWi-Fiに接続するところでつまづきました。でも、IoTエンジニア養成キットで用意されているカスタムイメージを使ったらIPアドレスの特定はすぐにできました。 ーーーなるほど、ネットワークの初期設定の解説は改善の余地がありますね。 ※編集注:ISIDさんのフィードバックを受けてドキュメントを改善しました。

月を追うごとに内容が高度になっていくのが良い

ーーー学習していく中で最も役に立った内容を教えてください。 飯干:徐々に内容が高度に複雑になっていくのが良かったですね。2ヶ月目に環境センサーからLCDへの連携を学びましたが、いきなり1ヶ月目から2つのデバイスをつなげると混乱してしまう。やっぱり1ヶ月ずつ内容を切っているのが自分としてはありがたかったですね。 役に立った内容としては、特に3章ですね。カメラデバイスから画像を取り出す。画像からOpenCVを使って解析。本にも書いていないような内容が丁寧に解説されている点が素晴らしいと思いました。作り手の本気を感じました。 ーーーありがとうございます!

スケジュールを組み、学習内容を振り返るようにした

ーーー学習の進め方について教えてください。 飯干:私は部の取りまとめとしてアサインされまして、キットが届いたらすぐに出来るように2週間で勉強できるようにスケジュールを組みました。 佐藤:期間としては2週間ぐらい、合計20時間位。初めは全然触れたことのない内容だったので引っかかりながら、先に進んでいた飯干さんに聞きながらやりました。 飯干:また、キットの中で収まってしまうとその先にチェンジできなくなる恐れがあるので、必ず応用編を考えるようにしています。と言っても学習した内容をちょこっと変えるくらいですが(笑) ーーー応用編として開発例が紹介されていると便利ですか? 飯干:凄く良いですね。答えがなくてもお題があるだけでも発想の広がりがあるのでありがたいです。 ーーーちなみに、学習は業務時間内に行いましたか? 戸田:もちろんです(笑)私達の部署では、新しい技術をお客様にご提案することが求められるので、学びの時間はとても重要です。 戦略ビジネス推進本部 インダストリアル・インターネット部 IoTグループ グループマネージャー 戸田 和宏さん お二人の上司。IoTエンジニア養成キットの箱がカッコいいと気に入られました。 飯干:その分、アウトプットの質も高めるために先述した様な工夫を行いました。 ーーーここで、学習のアウトプットを高めるために飯干さんが用意したツールをご紹介します。

振り返りシート

学習期間、気づき、XSHELL社へのコメントをひとまとめにしている。 Googleスプレッドシートのサンプルを用意しました。コピーしてご利用いただけます。

受講録(Power Point)

やってきたこと、注意事項(バグかミスかわからないけど遭遇したエラー)、応用編を資料にまとめどんなことを学んだかを振り返られるようにしている。

学習した内容を元にして応用した開発例

飯干さん佐藤さんのお二人が応用として作ったものをご紹介します。IoTエンジニア養成キットを使って応用編を考える際の参考になれば幸いです。

SenseHatを使った磁界のセンシング

飯干さん私物のSense Hatの磁界センサーを使い、モーターの不均一な動作を検出できるようにした。お客さんへの提案にも使えそう。

RGBセンサーを使って色のセンシング

Enviro pHATについているRGBセンサーの上に、赤・緑・青・黒色の物を順に置いて色の識別をした。グラフ右下の明度センサーの値が高くなったときが紙を交換しているとき。

カメラで車とバイクの認識

飯干さん私物のRaspberry Pi3とTensorFlowを使って画像認識により自動車とバイクを判別できるようにしている。

IoTエンジニア養成キットはこのような方にオススメです

ーーーどんな方が購入されると上手く活用できそうだとお考えですか? 佐藤:私みたいに興味あるけど何から手を付けて良いのかわからないという方にオススメです。キットが届いたらすぐに手を動かして勉強できるのが良いですね。 Facebookのコミュニティで気軽に質問できそうなのも良いと感じました。 飯干:ソフトウェアエンジニアですね。実際のセンシングはそんなに頻繁にできないのですが、プログラムしかやっていない人は実際のセンサーには遅延があるとか、データが省略されているとか分からないと思います。プログラムだけだと全部リアルタイムに出来るだろうと思って、IoTの開発が上手くいかないのではないかと思います。 ソフトを開発する人はハードウェアを触らないので、センサーが分からない。ぜひ実際に体験して欲しいですね。 一方、ハードウェアをやってきた人は高精度のセンサーに慣れていて、IoTで使うようなセンサーは非力で何もできないぞと思ってしまう。200〜1000万円と数千円のセンサーの違いを感覚として身につける。どう使うかというイメージを持つ、使う場所が限られるのでどうしようかという留意事項を実際に体験するのに向いてますね。 [caption id="" align="aligncenter" width="1999"] 佐藤さん(左)と飯干さん(右)ありがとうございました![/caption]

まとめ

飯干さんと佐藤さんが所属する戦略ビジネス推進本部は、最先端の内容を扱う部署であり本キットを活用した研修の時間を十分にもらえたこと、研修のスケジュールやアウトプットの方法を事前に決めて取り組んだことで、質の高い学習が行われておりました。 これからIoTエンジニア養成キットの導入を考えられている方はISIDさんの研修方法をうまく取り入れてやってみてください。 聞き手:杉田知至]]>

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